介護士シュカの読書メモ

認知症、介護の本etc... 読んでみた

『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』

見開き2〜4ページのマンガ、続く見開き2ページで解説と解決例、対応のポイントを箇条書きでまとめてあり、わかりやすく読みやすい構成です。

マンガでは介護者が見えている世界と認知症の方が見ている世界の2部構成です。介護者は苛立ち、困惑しています。実際に認知症の方には自分なりに認識し物事を遂行しようとしていることがよくわかります。同時に、認知症の方の不安や苦しみもわかりやすく描かれています。例えば場所がわからなくなる(見当識障害)、物盗られ妄想などのほか、暴言、運転をやめないという介護者が遭遇する困りごとを多く取り上げています。認知症の方への理解が深まり、どう接したらいいかのヒントを得られる内容です。

「いずれは進行する病気」という心がまえを持ち、寛容になる事も大切です(P63)

相手に苛立ちなどの感情をぶつけるのではなく、優しくわかりやすくゆっくりと接すること、共感して話に耳を傾けることの大切さを解説してあります。

今日からできること、やってみようと思うことも多く載せられています。

認知症の方の対応として重要なのは「安心できる環境」「安心して過ごせる時間」。そして、寄り添いとは、時間・場所・感情を共有することです(P160)

シュカ's  MEMO  ☆寄り添うとはよく言われますが、感情を共有できてなければただの付き添い。
認知症の方との会話の話題「かきくけこ」を活用!か(過去、家族)き(季節)く(苦労話)け(健康)こ(子ども)

認知症の人と接するときには「気づく、わかる」をサポート。①手を振る(視覚)②名前を呼ぶ(聴覚)③目線を合わせ手を触れる(視覚と触覚)

メラビアンの法則によると、視覚(容姿・表情・態度)55%聴覚35%(口調・音量・速さ)話の内容7%の割合で伝わると言われ、内容よりも口調や表情が重要。

一番興味を引いたのが、会話のスピードが2倍以上にに聞こえている、会話の内容が理解出来ず、例えて言うなら外国人が周りで喋っているような状況に認知症の人は感じているというものでした。漫画ではわかりやすく、認知症の人の心境が描かれていて、なにか言われてる、怒ってるようだ、でもなんで怒ってるか分からないという状況や、話について行こうと思っても全くわからず、最後に「わかった?」といわれたのだけ聞き取れたのでとりあえず「わかった」と答えていました。言葉で説明、説得しようと思っても伝わらないのです。ではどうすればいいか。メラビアンの法則を意識して接することです。声のトーン、表情が内容より大事だということを常に意識したいものです。