介護士シュカの読書メモ

認知症、介護の本etc... 読んでみた

『認知症世界の歩き方』

 

認知症になったとき、今まで当たり前にできていたことが出来なくなるのです。

見えなくなると記憶から消える、皮膚感覚が変化し、異常に寒い、数えられない、物が使えない、時間が分からないなど、普段無意識でしていたことが出来なくなるのです。

そうした体験を元に、認知症になったらこの世界はどう感じるかということを分類し、旅行ガイドブック「世界の歩き方』のパロディ的にまとめています。読みやすく、認知症野方が見える感じる現実はこういうことかと実感しやすいと感じます。だからいわゆる問題行動(BPSD)に見えるということなのです。

それにしても、自分が思っている。見えている現実が他人にはわかってもらえない、間違ってると言われるのは非常に苦痛でしょう。理解されず苛立つと更に周りから「認知症」だからおかしい、めんどくさい、迷惑行動と言われてしまうのです。忘れないようにメモを書いても書いた記憶がない、書いた字が読めない、内容に意味を見いだせない世界に、どうやって合わせていくか、周りの理解と協力がやはり必要です。

自分自身がそうだったら、と思って読むとより実感できると思います。

日常の無意識でできていることをひとつずつ分解して行くと複雑で高度な認知作業だと感じました。

シュカ's MEMO

認知症当事者の世界はSFという感じです。

自宅なのにドアの向こうが想像出来ない、書いた文字が判読出来ない、食べ物が変な味がする、お風呂の湯がぬるぬるする、巨大なクモなどが見える...自分にはそう感じられるのに、周り人は全然当たり前だと思っている。気づけば、家族も自分の家族かどうか分からない...

こう感じることを理解しながら、このSF世界を生きる手助け、何ができるだろうと、改めて考えました。