『認知症世界の歩き方』
認知症になったとき、今まで当たり前にできていたことが出来なくなるのです。
見えなくなると記憶から消える、皮膚感覚が変化し、異常に寒い、数えられない、物が使えない、時間が分からないなど、普段無意識でしていたことが出来なくなるのです。
そうした体験を元に、認知症になったらこの世界はどう感じるかということを分類し、旅行ガイドブック「世界の歩き方』のパロディ的にまとめています。読みやすく、認知症野方が見える感じる現実はこういうことかと実感しやすいと感じます。だからいわゆる問題行動(BPSD)に見えるということなのです。
それにしても、自分が思っている。見えている現実が他人にはわかってもらえない、間違ってると言われるのは非常に苦痛でしょう。理解されず苛立つと更に周りから「認知症」だからおかしい、めんどくさい、迷惑行動と言われてしまうのです。忘れないようにメモを書いても書いた記憶がない、書いた字が読めない、内容に意味を見いだせない世界に、どうやって合わせていくか、周りの理解と協力がやはり必要です。
自分自身がそうだったら、と思って読むとより実感できると思います。
日常の無意識でできていることをひとつずつ分解して行くと複雑で高度な認知作業だと感じました。